上尾市議会新政クラブ

REPORT活動報告

新政クラブ会派の視察について
(鳥取県鳥取市、倉吉市、松江市)

2018.08.17

星野 良行

1.鳥取県鳥取市

鳥取市が目指す公共施設マネジメントについて/ドローンの活用について

鳥取市では、人口減少、市民ニーズと共に増えた公共施設、朽ちるインフラの顕在化、自治体の財政破綻、ふじみ野市のプール事故など、多くの地自体で抱える課題について、まちづくりを見直す必要性から、ファシリティマネジメント(以下FM)を推進している。平成26年に公共施設白書を作成、今後発生する更新費用(50年平均)を試算、約65.5億円を試算。翌年に公共施設の経営方針を策定し、40年間で約29パーセントの施設を縮減する方針を決定、また翌年には公共施設(個別施設)再配置基本計画を策定した。それらの推進の中で、施設点検については、費用対効果を優先するために職員によるドローンの活用をしている。

ドローンについては、機体、講習費込みで29万円での調達である。また、保有施設の有効活用については、廃校を植物工場に転用、総合施設の一部を郵便局に貸出、体育館の屋根に、屋根貸しによる太陽光パネルの設置、温泉保養施設の売却による民営化によりサービス維持の向上ならびに財源の確保を行っている。また、施設の統合、複合化については、意識改革を行い、総論賛成、各論反対になりがちな事案について、他人事ではなく自分事と感じてもらう人を増やしてゆく連携と粘り強さが肝心であるとしている。また、FMの取組み、意識改革の必要性から、庁内の職員向けの研修、また、公開講演会や大学や、各種団体、金融機関などで、出前講座や授業を行っている。内部だけでなく、マスコミや、外部から、FMの必要性の意識の醸成されるよう努めている点が非常に参考になった。

さらに、稼ぐというキーワードに重点を置き、民間に活躍してもらう手段としてPPP導入検討指針を策定した。まずは金額にかかわらずPPPを検討、いかに、民間の声を聴き、活かすかを重視、民間からの提案に対し、事業化に向けた知的財産の保護を約束することにより、事業計画をブラッシュアップするため、事業提案者(業者)に対し、解除条件付きではあるが、随意契約を保証するということは、非常に参考になった。鳥取市は、今後も意識改革を進め、"FMは当たり前!"の組織にする、加えて民間と連携して、自治体の課題解決策を模索するという強い決意を感じた。 まさに意識改革の重要性が感じられた。

2.鳥取県倉吉市

倉吉市地域産業振興ビジョンについて

倉吉市は、鳥取県中央部に位置し、白壁の城下町として栄えた地域である。近年は高齢化が進み、若者の勤め先がないため、人口減少が大きな課題であった。そこで、議会から倉吉市産業元気条例が提案され、これに基づき「倉吉市地域産業振興ビジョンが策定された。ビジョンの内容は、市民生活の向上と豊かで暮らしやすい地域社会の実現として、5つの目標を掲げ、その戦略として雇用の創出と確保、農商工連携による6次産業の推進、にぎわいの創出と観光業の振興を上げている。雇用の創出と確保では、企業立地の促進、就業情報を提供、人材育成の推進を行い、具体的には、企業動向把握のため、市内外への訪問活動、年間関西方面を中心に50件の訪問、10件の提案も目標に活動を実施、平成29年度実績は56社を訪問し、1社の誘致に成功している。効率的な事業基盤の確保として、必要に応じて市内にある工業団地の整備を実施している。また、市内に限らず、鳥取県中部地区での雇用奨励金制度を実施し、市内雇用を優先するが、企業の雇用充足度をより、高めるため、中部地区での対応も実施している。起業の現状については、新規開業の促進を含めた空き店舗の活用、新規開業などの事業者への支援として、商工会議所による支援や経営相談会を図書館や夜間にも行うなど、また出張ビジネス相談を行うなど充実した支援を行っている。さらに平成15年からチャレンジショップを実施し卒業生37名のうち、独立開業をしたものが27名(市内25名)いる。農商工連携による6次産業化の促進については、原材料(c級品)の確保や販路の確保の課題が未解決である。倉吉市の視察で感じたことは、企業誘致をとっても、工業団地を造成し分譲するのでなく、企業ニーズに合わせて、事業化を行っていることである。時間はかかるが、企業との信頼関係を醸成させながら丁寧な対応ができることが利点であることが理解できた。その他、丹下健三氏による市庁舎は50年以上前の建築とは思えないほどモダンで大変趣のある庁舎で、国の文化財に指定をされている。また、誘致企業である(株)グッドスマイルカンパニーによるキャラクター「桜ミク」市庁舎をはじめ市内各所で見ることができ、印象的であった。また、職員の我々視察団に対する、おもてなしも素晴らしく感銘を受けた。庁舎のあちらこちらに、歓迎のサインポスターが設置され、会議室の名札も一人一人つくられていた。大変印象に残った。

3.島根県松江市

Rubyによる地域創生の取組みについて

松江市がRuby City MATSUEに取組むきっかけは、2005年に人口が減少に転じた危機感からである。Rubyとはコンピュータのプログラム言語で、特徴として、手軽、簡潔、楽しいのが特徴であり、世界で注目されている言語である。そのRubyの開発者であるまつもとゆきひろ氏が松江市在住ということからRuby City MATSUEが始まった。大都市圏の真似事では勝負できない(端的に言うと予算がない)ので、Rubyを地域資源(かなり強引がだ)として、一点突破、Rubyと言えば松江というブランドづくりに取り組んだ。市長の談によれば「松江市に進出した企業が求めているのは、人材である」ことから、人材を育てる施策と重点的に展開をしている。人を育てる、企業が集まる、雇用が生まれる、のサイクルを生み出す松江市のプロジェクトである。最初に行ったことは市内外のエンジニアが出会い、技術を高める、交流の場を設けたこと。松江駅前の交流拠点オープンソースラボを開設。様々なコミュニティーが発足。次に島根大学・松江高専においてRubyプログラミング講座の実施。さらに市内全中学校でRuby授業を実施、さらに小学生向けのRubyプログラミング少年団を発足、小学校でRubyをする実験(実証事業)を行った。まさに小学生からの人材育成である。起業誘致施策も県と連携をし 航空運賃、家賃、通信費、電気代、雇用、融資、課税の減免等も充実している。その結果プロジェクトスタートから 企業誘致40社の実績を上げている。また雇用人数も着実に増えてきている。松江市に、Rubyの開発者まつもとゆきひろ氏が住んでいたことから、始まったプロジェクトであるが、行政がそこまで本気でやるかと当初はまつもと氏も懐疑的であったとのことである。行政がそこまで本気を出せば成功するという事例でもあり、参考になった。駅前のオープンソースラボはもともと、再開発ビルでテナントが入らなかったところであるとの説明があった。新指導要領にはプログラミングが小学校、中学校に導入をされる。そういった意味での先進地でもある松江市は大変興味深い視察地であった。

4.視察全般について

全国的な猛暑で連日大汗をかきながらの視察であったが、余裕を持ったスケジュールであったので、良かった。先の西日本豪雨の被害は視察地の山陰地方には直接なかったが、瀬戸内海側との鉄道路が被害を受け、未だ復旧しておらず、米子駅前には代替輸送のバスが行列をしていた。よって、山陰地方の観光地は皆生温泉、玉造温泉等は、夏休みにも関わらず、キャンセルが多く困っているとの事である。早期の復旧を望むものである。各視察地において、忙しい中、各議会事務局の職員さん、調査事項の担当の職員さんには大変お世話になりました。特に鳥取市議会事務局には、事前調査事項でない、予算特別委員会や決算特別委員会についてお答えていただいた。感謝申し上げたい。

以上 報告といたします。