上尾市議会新政クラブ

REPORT活動報告

新政クラブ会派の視察について
(山口県下関市、北九州市、大野城市)

2017.08.31

大室 尚

1.山口県下関市/COME ON!関門!PRムービーの制作について

平成29年8月7日(月)午後1時30分山口県は下関市役所において、山口県下関市と福岡県北九州市が共同で、関門海峡と周辺の観光地をPRし海外からも観光客を呼び込もうと、地方創生費を活用した「COME ON!関門!~海峡怪獣~」を制作した経緯を視察させていただいた。
視察して分かったことですが、「かんもん海峡都市」観光まちひらき・形成連携事業の中の情報発信事業(アプリの開発等)ということで、開発費4,000万円。内訳は、下関市1,000万円、北九州市3,000万円、人口比割算出とのことでそのうち①「COME ON!関門!~海峡怪獣~」PRムービーに3,000万円、多言語対応携帯アプリ②「COME ON KANMON」に1,000万円の2本立てであることがわかった。
 これが行政視察に行ってみなければわからないことの特徴の一つである。

②「COME ON KANMON」についてはまったく知らず、視察の大きな収穫となった。
 アプリの主な特徴は、日本語、英語、中国語、韓国語、タイ語の5言語対応。特徴として①PUSH通知で観光情報が届く、②観光情報を探す―現在地から探す―エリアで探す―おすすめ観光ルート―、③お楽しみコンテンツ―キャラクターをゲットする―キャラクターと写真を撮る―キャラクターを集める―スペシャルキャラクターをゲットしチケットを獲得して景品と交換する―というもの。

2本の別々の事業を1本の「かんもん海峡都市」観光まちひらき・形成連携事業の中の情報発信事業として国に申請し、1/2の国庫支出金を得ていたのである。  「PRムービーとアプリは連動しているのか?」の質疑に対して「連動はしていない」とのことであった。つまりPRムービーで関門海峡の魅力を発信し、観光客の増加につなげるため、国内外で話題性を高めるようなインパクトのあるPRムービーでまず①関門海峡の街に来てもらう。そして②観光客が楽しめるツールとして、関門地域の特徴的な歴史的・文化的要素を取り入れたインフォメーション機能を有する携帯端末用アプリで訪れた人たちにお・も・て・な・しをしているように感じ取れた。
 上尾市には、まったくない発想の事業展開であり大いに学ぶべきものがあると実感した。

2.福岡県北九州市/いのちのたび博物館について(現地視察)

平成29年8月8日(火)午前9時30分より福岡県北九州市にあるいのちのたび博物館を現地視察させていただいた。上尾市には、歴史館、郷土資料館等がなく上尾市内から発掘された無形文化財なども日の目を見ず保管されている。いのちのたび博物館は、市の3つの博物館(自然史、歴史、考古)が一つになり、平成14年11月に誕生した西日本最大級の自然史・歴史博物館である。
 予算規模は、3億1,200万円(事業費7,900万円、管理費2億3,300万円)職員数33名(事務15、学芸員=自然史11、歴史7)
 主な特徴は、博物館ボランティア養成講座を実施し、講座を終了したものからボランティアを募集していたり、博物館を第2の学校(教育の場)として位置づけ、理科・社会科への学習の意欲を持たせる仕組みづくりを進めていた。ミュージアムティーチャー(博物館勤務の教員)を4人配置するなどの特色があった。
 また、本年度入場者数は600万人達成予定とのことであった。

理由は、壮大なスケールの恐竜の展示や太古の北九州市の白亜紀にタイムスリップできる空間を再現したジオラマや、恐竜が動く様は、まさしく映画のジュラシックミージアムそのものであった。また、年に数回イベントを開催しており今回訪れた際は、大昆虫博が行われていてリピーターの獲得に努力していた。

恐竜の骨が発掘された歴史と政令指定都市としての規模がもたらしたものであり、上尾市としてはここまでの規模は到底かなわないものの歴史郷土ゾーンの展示は、参考にできた。しかしながら箱ものを建設するとなるとコストがかかり、年に数回イベントを開催できるほどの歴史的財産があるわけではない本市では、リピーターを取り込めないため採算が合わないだろうと感じた。また入場者数の増加も期待はできないが、23万人都市である上尾市には、歴史館や郷土資料館等がないのはいかがなものか?上尾市の歴史文化を大切にしなくていいのか?小規模でもいいから展示できる様にしてほしいと考えるが、展示する箱ものを建設するにはコストがかるので、せめて現在ある上尾市内の公共施設内の一角のスペースを借りて定期的にあるいはイベント的に自然史・歴史的文化財の展示を続けるしかないのか?コストにかかわらずしっかりした箱ものに上尾市の歴史文化を大切に展示するのか?と自問自答する現地視察でした。

3.福岡県大野城市/大野城まちなかわくわくパビリオンについて

平成29年8月9日(水)午前10時より福岡県大野城市役所を訪れ、「おおのじょうまちなかわくわくパビリオン」についてご教示を頂いた。
 事業概要は、お店や自然、史跡などの地域資源を活用した様々な体験プログラムを市内のいたるところで開催することで、その魅力を体験してもらい、町全体でにぎわいを生み出すイベントである。
 開催期間は、H28年10月1日~12月13日で、34のプログラムがあり、総事業費は283万円とのことでした。(H27年は530万円)
 開催経緯については、九州大学との官学連携プロジェクト→「地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」に応募→商工会と市が連携して事業実施→H26年度より補助事業から外れる→H28年度より大野城市にぎわいづくり協議会が主催している。
 事業成果は、右肩上がりで参加者が増加しており、プログラム数もそれに伴い増やしている。

地域経済活性化を目的に行政始動で始めた事業を、最終的には協議会という独立採算事業に変えてしまう手法は、特に参考なった。上尾市にも様々な事業が展開されており、すべて宣伝も時期もさまざまで各課の事業推進でもあり、すべてが一つにつながってないため、バラバラな市民協働が展開されているようにも思える。すべての事業を一本化して宣伝・集約・協働・地域活性化に向けた大野城市の取り組みをぜひ参考にして上尾市のにぎわいづくり地域経済産業の活性化に生かしたい。特に大野城市にぎわいづくり協議会が進める「5つの事業」①各メディアを活用した情報発信 ②市内各団体が連携したイベントの実施 ③日常的な誘客につながる回遊ルート開発 ④各地資源を連携させた事業の実施 ⑤市民参画による実施などは、学ぶべきものがあるのではないかと感じた。上尾市でも似たような様々なイベント事業を展開しているが、すべてを一本化して集約することで上尾市全体のにぎわいづくりをPRできるのではないか?SNSの活用や多言語対応携帯アプリを作成し、スタンプラリー化やポイント制など付加価値をつけて商品などがもらえるようにすればさらに市民の参加意欲も高まり市民協働まちおこしとしての地位も確立され、魅力あふれる上尾市のあらたな創造の魅力あふれる形成につながるのではないかと感じた。高齢者の健康マイレージとともにすべての事業を同じターンテーブルに載せることができれば上尾市の魅力が2倍、3倍と増えると考えさせられる有意義な視察でした。

4.視察全般について

 今回の新政クラブの行政視察のポイントは、地域経済活性化と伝統文化歴史の保存についての成果と役割など今後、東京のベットタウンというだけで人口維持できるわけがなく、定住・移住などの促進を考えた場合、いかに魅力あふれる上尾市を形成できるか(PRできるか)にかかわってくる。そんな課題を克服するべく視察させていただいた。
 山口県下関市/COME ON!関門!PRムービーの制作についての様にインパクトあるPRの仕方やアプリの連動、歴史館、郷土資料館等がない上尾市内から発掘された無形文化財なども展示し、福岡県大野城市/大野城まちなかわくわくパビリオンのように、分散化した上尾市が展開するすべてのピース(事業)をはめ込んでいき(市民が)出来上がった「笑顔あふれる上尾市の青写真」となるように今後がむしゃらに取り組んでいかなければならないと感じた。また 小さな子供から生産年齢人口ならびに高齢者に訴えるような事業展開や企画、発想の転換が大事であり、専属のシティプロモ―ション課(にぎわいづくり課)を持たない上尾市が今後どのように行政経営をしていくのか?ともに考え事業展開していく必要があり、貴重な行政視察を通して学んだものをいかに上尾市の行政経営に生かせるよう提言していくのか、それが新政クラブの課せられた使命であると改めて感じとれる有意義な行政視察でした。